大人の虫歯予防で必要なケアとは? 子どもと違う原因と守り方

大人の虫歯予防で必要なケアとは? 子どもと違う原因と守り方

子どものころに虫歯で苦労しなかったから、大人になってからも大丈夫だとお考えではないでしょうか。大人の歯にできる虫歯は、子どもの虫歯とはできる場所も気づき方も違います。同じ歯磨きを続けているだけでは追いつかない部分がありますので、大人の歯に合わせたケアに切り替えていく必要があります。

この記事の監修者

鈴木 喜之

鈴木 喜之(すずき よしゆき)

医療法人社団 鈴木歯科クリニック 理事長・院長

昭和大学歯学部を卒業後、同大学第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)に入局。その後、平成8年に山形市にて鈴木歯科クリニックを開院。

「山形という地方でも良質な歯科医療を提供したい」という想いのもと、その場しのぎの治療ではなく「長く健康でいられるための治療」を理念として診療を行う。予防管理をはじめ、マイクロスコープを用いた精密治療やインプラントなど、口腔内全体の健康を長期的にサポートする包括的な歯科診療を提供している。

大人の虫歯は子どもと違う場所にできる

子どもの虫歯は、歯の溝や歯と歯のあいだにできることが多くあります。これに対して大人の虫歯は、歯ぐきが下がって出てきた根の部分と、以前に治療した歯の詰め物の下という2か所に集中します。

歯ぐきが下がって出てきた根の部分

歯の頭の部分は、エナメル質という硬い層に覆われています。ところが歯ぐきが下がって出てくる根の部分には、この層がありません。そのため酸に溶けやすく、同じ汚れの付き方でも虫歯が進みやすくなります。根面う蝕と呼ばれる、大人に特有の虫歯です。

歯ぐきが下がる背景には、歯周病や加齢による変化があります。歯ぐきの位置が変われば、守るべき場所も変わるということです。

治療した歯の詰め物や被せ物の下

過去に治した歯は、もう虫歯にならないと思われがちです。実際には、詰め物と歯の境目にすき間ができると、そこから内側で虫歯が進みます。二次カリエスと呼ばれるもので、外から見えないまま広がる点が厄介です。

治療した歯が多い方ほど、この境目の数も多くなります。何本も治療を受けてこられた方は、それだけ確認すべき場所を抱えているとお考えください。

詰め物は、入れた時点ではぴったり合っています。ただ長く使ううちに、噛む力でわずかにたわんだり、周りの歯が動いたりして、境目にずれが生まれることがあります。年数がたった詰め物ほど、一度確かめておく意味があるとお考えください。

どちらも痛みが出にくい

根の部分の虫歯も、詰め物の下の虫歯も、初期には痛みがほとんど出ません。神経を取った歯であれば、進んでも痛みは出ないままです。痛くなってから気づいたときには、削る範囲が広がっていることも珍しくありません。

大人の虫歯予防で要になるフッ素の使い方

毎日のケアで最も効果を左右するのは、フッ化物配合の歯磨き粉の使い方です。日本口腔衛生学会など4つの学会が合同で、年齢ごとの推奨をまとめています。

濃度は1400から1500ppmFを選ぶ

4学会の文書は、6歳から成人と高齢者に対して1500ppmFを推奨しています。日本で売られている製品を踏まえると1400から1500ppmFにあたる、という書き方です。お手元の歯磨き粉の成分表示を、一度ご確認ください。

濃度は製品の裏面か側面に、フッ化物イオン濃度として書かれています。1450ppmと記載された製品が多く出回っていますが、これは推奨されている範囲に入る数字です。何年も前に買ったものを使い続けている場合は、表示を確かめてみてください。

量は歯ブラシ全体につける

推奨されている量は、歯ブラシ全体にあたる1センチ半から2センチほどです。少なめにつけている方が多いところですが、量が足りなければ効果も下がります。あわせて、就寝前を含めて1日2回みがくことも推奨されています。寝ているあいだは唾液が減り、虫歯が進みやすい時間帯だからです。

うがいは少量の水で1回だけにする

ここが最も見落とされやすい点です。4学会の文書は、歯磨きの後は歯磨剤を軽くはき出し、うがいをする場合は少量の水で1回のみとするよう求めています。何度もすすいでしまうと、せっかく口の中に残したフッ化物を洗い流してしまいます。

すっきりしないと感じられるかもしれませんが、みがいた後に口の中へフッ化物をとどめることが目的です。習慣を変えるだけで済みますので、今日から試していただけます。

出典:4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法(日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)

歯ブラシだけでは届かない場所がある

大人の虫歯ができやすい歯と歯のあいだは、歯ブラシの毛先が入りません。どれだけ丁寧にみがいても、ここだけは別の道具が要ります。

歯と歯のあいだは道具を使い分ける

すき間が狭い方にはデンタルフロス、歯ぐきが下がってすき間が広がっている方には歯間ブラシが向いています。合わない道具を無理に通すと歯ぐきを傷つけますので、どちらを使えばよいかは診察のときにお尋ねください。太さの選び方も一人ひとり違います。

使う順番に決まりはありませんが、先に歯と歯のあいだを通してから歯磨き粉をつけると、フッ化物が届きにくい面にも行き渡りやすくなります。毎日すべてのすき間を通すのが難しければ、就寝前の1回だけでも構いません。続けられる形から始めてください。

根が出ている部分はやさしく当てる

根の部分は硬い層に覆われていないため、力を入れてこすると削れてしまいます。やわらかい歯ブラシで、境目をなでるように動かしてください。強くみがけば汚れが落ちるという考え方は、大人の歯には当てはまりません。

根元がしみるという方も、みがくのをやめないでください。汚れが残れば、しみる原因そのものが増えていきます。しみ方が強いときは、症状に合わせた歯磨き粉をご案内できますので、遠慮なくお申し出ください。

毎日のケアだけで防ぎきれるのか

家庭でのケアだけでは、防ぎきれない部分が残ります。ご自身では見えない場所と、確認しようのない場所があるからです。

見えない場所は確認できない

詰め物の下で進む虫歯は、鏡で見ても分かりません。レントゲンを撮ってはじめて、内側の広がりが見えてきます。歯と歯のあいだも同じで、見た目に問題がなくても隣り合う面が溶けはじめている場合があるのです。

4学会の文書は、成人では約3人に1人が未処置の虫歯を持っていると述べています。気づいていないだけという方が、それだけおられるということです。

ご自身で気づける虫歯は、穴があいたり、しみたり、痛みが出たりと、すでに進んだ段階に入っています。まだ削らずに済む段階で見つけられるかどうかは、確認を受けているかどうかで決まります。

家庭でできることと歯科医院でできること

毎日のケアで担えるのは、汚れを落とし、フッ化物を届け、虫歯になりにくい状態を保つところまでです。詰め物の境目に段差ができていないか、根の部分が溶けはじめていないかを確かめるのは、歯科医院の役割です。

どちらか一方では足りません。家庭でのケアを続けたうえで、定期的に確認を受けるという組み合わせが、大人の虫歯予防の形です。

片方だけに頼ると、どちらの効き目も落ちます。歯科医院に通っていても毎日のケアが行き届かなければ汚れは残りますし、丁寧にみがいていても確認を受けなければ内側の変化は見逃されたままです。二つを重ねてはじめて、削らずに済む範囲が広がっていきます。

よくある質問

子ども用の歯磨き粉を大人が使ってもよいのか

おすすめしません。子ども向けの製品はフッ化物の濃度が低く設定されています。4学会の文書でも、6歳から成人と高齢者には1500ppmFが推奨されていますので、大人はその濃度帯の製品をお選びください。

フッ素入りの歯磨き粉を使えば虫歯にならないのか

使っていれば絶対に大丈夫、とまでは言えません。フッ化物は歯を溶けにくくし、溶けはじめた部分が戻るのを助けますが、汚れが残ったままでは追いつかないこともあります。歯間清掃と組み合わせてはじめて力を発揮するとお考えください。

電動歯ブラシならフロスは要らないのか

必要です。電動でも毛先の入らない場所は同じですので、歯と歯のあいだは道具を分けて掃除していただく必要があります。電動歯ブラシは当てる時間や力の管理には役立ちますが、届く範囲そのものは変わりません。

詰め物をした歯はもう虫歯にならないのか

なります。詰め物そのものは溶けませんが、歯との境目にすき間ができれば、そこから内側で虫歯が進んでいくのです。治療した歯が多い方ほど、確認していただきたい場所も増えます。

根の部分の虫歯に効く高濃度の歯磨き粉はあるのか

4学会の文書は、根面う蝕の予防が必要な成人に対して5000ppmFの歯磨剤の効果が認められているとしたうえで、現在の日本では市販されていないと述べています。日本で手に入る範囲では1400から1500ppmFが上限ですので、その中で量と使い方を整えるのが現実的です。

大人でもフッ素の塗布を歯科医院で受けられるのか

受けられます。歯科医院で使うフッ化物は、市販の歯磨き粉より高い濃度です。受けていただく間隔は虫歯のできやすさによって変わりますので、検査の結果とあわせてご案内します。

甘いものを控えれば虫歯は防げるのか

控えることは役に立ちますが、それだけでは足りません。大人の虫歯は、歯ぐきが下がった根の部分や詰め物の境目という、汚れがたまりやすい場所から進みます。食べるものと同じくらい、その場所を掃除できているかが効いてきます。

大人の虫歯予防を相談するなら鈴木歯科クリニックへ

鈴木歯科クリニックは、山形市南栄町にある歯科医院です。予防歯科に対応しており、通院が難しい方に向けた訪問歯科診療も行える体制です。

詰め物の下や歯と歯のあいだを確かめるための歯科用CTと、細かな部分を拡大して見るマイクロスコープを備えています。お口の状態を見たうえで、使っていただく道具や歯磨き粉の選び方もあわせてお伝えします。

診療時間は9時から18時までで、受付は17時まで、初めて受診される方の受付は16時までです。休診日は日曜と祝日ですので、土曜日にもお越しいただけます。医院専用の駐車場を20台分ご用意していますから、お車でも安心してご来院ください。

昔治した歯が気になる、根元がしみるという方は、まずは検査からご相談ください。

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山形で歯医者・歯科医院をお探しの方は鈴木歯科クリニックにご相談ください。

虫歯治療・歯周病治療・矯正歯科・小児矯正歯科・審美歯科・予防歯科・インプラント・入れ歯などの治療に対応しております。 マイクロスコープ、歯科用CTレントゲンを完備しておりますので、より精密な治療が可能です。

〒990-2445 山形県山形市南栄町1-3-33
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