口の乾燥で飲み込みづらいと感じたら?原因と唾液を増やす対策
この記事の監修者

鈴木 喜之(すずき よしゆき)
医療法人社団 鈴木歯科クリニック 理事長・院長
昭和大学歯学部を卒業後、同大学第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)に入局。その後、平成8年に山形市にて鈴木歯科クリニックを開院。
「山形という地方でも良質な歯科医療を提供したい」という想いのもと、その場しのぎの治療ではなく「長く健康でいられるための治療」を理念として診療を行う。予防管理をはじめ、マイクロスコープを用いた精密治療やインプラントなど、口腔内全体の健康を長期的にサポートする包括的な歯科診療を提供している。
水を飲んでも口の中がすぐ乾く、パサついた食べ物が飲み込みにくい、夜中に口の渇きで目が覚めるといった症状に心当たりがあるなら、唾液の分泌量が減る「口腔乾燥症(ドライマウス)」が関係している可能性があります。口の乾燥は単なる不快感にとどまらず、飲み込みのしづらさや虫歯、口臭など、お口全体のトラブルの入口になりかねません。
唾液は食べ物を湿らせてまとめ、飲み込みやすい状態にする大切な役割を担っています。その唾液が減ると、食塊がうまくまとまらず、喉へ送り込みにくくなってしまうでしょう。とりわけご高齢の方では、加齢や服用中のお薬の影響で唾液が減りやすく、飲み込みづらさが食事量の低下や誤嚥につながる場合もあるでしょう。
口の乾燥で飲み込みづらくなる仕組みと主な原因、放置した場合のリスク、そして自宅でできる唾液を増やす対策について、歯科の視点から整理して解説していきます。
口が乾燥すると飲み込みづらくなる理由
唾液には、食べ物を湿らせて飲み込みやすい塊にまとめる働きがあります。健康な状態では1日に1リットルから1.5リットルほどの唾液が分泌されると言われており、噛むたびに分泌された唾液が食べ物と混ざり合うことで、なめらかに喉へと送り込めるのでしょう。
ところが唾液が減ると、食べ物がパサついたままになり、口の中でうまくまとまりません。とくにパンやビスケット、ふかし芋のような水分の少ない食品は、飲み込む直前で喉に張り付くように感じられるでしょう。水分の多い料理なら飲み込めても、乾いた食品になると急に食べづらくなるのは、唾液不足の典型的なサインかもしれません。
加えて、唾液には口の中の粘膜を保護し、滑りをよくする働きもあります。唾液が減ると舌や頬の内側の動きが鈍くなり、食べ物を喉へ運ぶ一連の動作そのものがぎこちなくなってしまうでしょう。「飲み込みづらい」という感覚の裏には、こうした唾液の複数の働きの低下が隠れていると考えられます。
口の乾燥を招く主な原因
加齢による唾液腺の機能低下
年齢を重ねると、唾液をつくる唾液腺の働きが少しずつ低下していきます。若い頃と同じ生活をしていても、分泌される唾液の量は自然と減っていくものでしょう。ご高齢の方に口の乾燥が多く見られる背景には、加齢による唾液腺の変化があると考えられています。
お薬の副作用
口の乾燥を引き起こす原因として、意外に見落とされやすいのがお薬の副作用でしょう。降圧薬や抗うつ薬、抗アレルギー薬、利尿薬など、唾液の分泌を抑える作用を持つお薬は数多く存在します。複数のお薬を服用している方ほど口が乾きやすい傾向にあり、薬剤性の口腔乾燥は決してめずらしくありません。気になる場合は、自己判断で服薬を中止せず、処方した医師や歯科に相談してみるとよいでしょう。
口呼吸の習慣
鼻ではなく口で呼吸する習慣があると、口の中の水分が常に蒸発しやすくなるでしょう。とくに就寝中に口が開いていると、朝起きたときに口がカラカラに乾いていると感じる方も多いはずです。いびきをかきやすい方や、起床時に喉の乾きが強い方は、口呼吸が乾燥の一因になっているかもしれません。
ストレスや全身の病気
緊張すると口が渇くという経験は、多くの方が一度はしているでしょう。唾液の分泌は自律神経に支配されているため、強いストレスや緊張が続くと唾液が出にくくなります。また、糖尿病やシェーグレン症候群といった全身の病気が、口の乾燥として現れる場合もあるでしょう。急に強い乾燥が続く、目の乾きも伴うといった場合には、背景に別の病気が隠れている可能性も考えられます。
口の乾燥を放置するとどうなるか
口の乾燥を「ただの乾き」と軽く考えて放置すると、お口の健康にさまざまな影響が及びます。まず増えるのが虫歯と歯周病のリスクでしょう。唾液には口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える働きがあるため、唾液が減ると細菌が増えやすくなり、虫歯や歯周病が進行しやすくなるのです。
口臭が強くなるのも、唾液減少による典型的な変化でしょう。口の中が乾くと細菌が繁殖し、においの原因物質がつくられやすくなります。さらに、飲み込みづらさが続くと食事量そのものが減り、低栄養につながる恐れもあるでしょう。ご高齢の方では、飲み込む力の低下とあわさることで、食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」のリスクが高まる点にも注意が必要です。
口の乾燥は、放置するほど悪循環に陥りやすい症状でもあります。乾燥で粘膜が傷つきやすくなり、痛みからさらに食べにくくなるという連鎖が起こりかねません。早めに原因を見極めて対策を始めることが、悪循環を断ち切る近道になるでしょう。
自宅でできる唾液を増やす対策
こまめな水分補給と保湿
口の乾燥対策の基本は、こまめに少量ずつ水分をとることです。一度に大量に飲むより、少しずつ口を潤すほうが乾燥感をやわらげやすいでしょう。市販の口腔保湿ジェルやスプレーを併用すると、乾きが強い時間帯を快適に過ごしやすくなるでしょう。カフェインを多く含むお茶やコーヒーは利尿作用があるため、飲みすぎには気をつけたいところです。
唾液腺マッサージ
唾液をつくる唾液腺を外側から刺激することで、唾液の分泌を促せます。耳の下からあごにかけての部分を、指で優しく円を描くようにマッサージしてみてください。食事の前に行うと、食べ始めの飲み込みやすさが変わってくるのを感じられるかもしれません。強く押す必要はなく、痛みを感じない程度の力で十分でしょう。
よく噛んで食べる習慣
唾液は噛むことで分泌が促されます。やわらかいものばかりでなく、適度に噛みごたえのある食材を取り入れ、一口ごとにしっかり噛む習慣をつけることが、唾液腺を自然に刺激する近道になるでしょう。よく噛むことは、お口周りの筋肉を使う良い機会にもなります。
口呼吸を鼻呼吸に切り替える
口呼吸が乾燥の原因になっている場合は、日中に口を閉じて鼻で呼吸する意識を持つことが対策になります。就寝中の口の乾きが強い方は、寝室の加湿も乾燥対策として役立つでしょう。
口の乾燥や飲み込みづらさは鈴木歯科クリニックへご相談ください
鈴木歯科クリニックは、山形市南栄町で開業から今年で30周年を迎え、地域の歯科医療に取り組んでまいりました。院長は昭和大学歯学部を卒業後、同大学の第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)で研鑽を積んだ専門家であり、口の乾燥や飲み込みづらさに関わるお口のお悩みにも幅広く対応しております。
口の乾燥や飲み込みづらさの背景には、唾液の減少だけでなく、お薬の影響やお口の機能低下などさまざまな要因が隠れている場合があるでしょう。当院では患者さま一人ひとりのお口の状態を丁寧に確認し、原因に応じた対策やアドバイスをご提案いたします。入れ歯が乾燥で擦れて痛むといったお悩みにも、補綴を専門とする立場から対応が可能です。
通院が難しい方には訪問歯科診療での対応も可能ですので、ご高齢のご家族の食事や飲み込みでお困りの方もご相談いただけます。口の乾燥や飲み込みづらさが気になる方は、お電話またはLINEでのご相談からお気軽にお問い合わせください。
山形で歯医者・歯科医院をお探しの方は鈴木歯科クリニックにご相談ください。
虫歯治療・歯周病治療・矯正歯科・小児矯正歯科・審美歯科・予防歯科・インプラント・入れ歯などの治療に対応しております。 マイクロスコープ、歯科用CTレントゲンを完備しておりますので、より精密な治療が可能です。
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