マイクロスコープを使った根管治療は何が変わる?見えることの意味と限界
歯の神経を取る治療を勧められて調べていると、マイクロスコープという言葉に行き当たった方も多いかもしれません。歯科用の顕微鏡のことで、根の治療で使われます。なぜわざわざ顕微鏡が要るのかというと、治療する場所が肉眼ではほとんど見えないからです。
この記事の監修者

鈴木 喜之(すずき よしゆき)
医療法人社団 鈴木歯科クリニック 理事長・院長
昭和大学歯学部を卒業後、同大学第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)に入局。その後、平成8年に山形市にて鈴木歯科クリニックを開院。
「山形という地方でも良質な歯科医療を提供したい」という想いのもと、その場しのぎの治療ではなく「長く健康でいられるための治療」を理念として診療を行う。予防管理をはじめ、マイクロスコープを用いた精密治療やインプラントなど、口腔内全体の健康を長期的にサポートする包括的な歯科診療を提供している。
根管治療でマイクロスコープが要るのは、根の中が見えないから
根の中は、細くて曲がっていて、そのうえ暗い場所です。肉眼で確かめられるのは入り口の付近までで、その先は手の感覚が頼りです。拡大して光を入れられるかどうかで、確かめられる範囲が変わってきます。
根の中は細くて曲がっていて暗い
日本歯内療法学会は、歯内療法を歯の内部の治療、通常は歯の根の中の管に関した治療だと説明しています。その管は1本の歯に複数あることもあり、枝分かれしていたり、途中で急に曲がっていたりします。
太さは細いところで髪の毛ほどしかありません。口の中という限られた空間で、しかも影になる位置にありますから、明かりを当てただけでは奥まで見通せません。
見えないまま進めるとどうなるか
見えない部分は、器具の感触と経験で補うほかありません。当院は虫歯治療のページで、根の治療はいかに根の中をキレイにできるかが勝負だとお伝えしています。裏を返せば、取り残しがあれば細菌が残るということです。
残った細菌は、後になって根の先で炎症を起こします。痛みや腫れとして出てくるころには、もう一度根の中を開けて治療をやり直さなければなりません。
当院が精密根管治療に重きを置いている理由
当院は根管治療において精密治療に重きを置いています。使っている道具は3つで、それぞれ役割が違います。
マイクロスコープ
歯科用顕微鏡のことです。肉眼では見ることができないほど拡大した視野を確保して治療できます。根管の入り口の位置や、清掃したあとの根の中の壁を、目で確かめながら進められる点が大きな違いです。
顕微鏡には照明が組み込まれていますので、拡大と同時に光も奥へ届きます。暗くて見えないという条件そのものを変えられるところが、ただ拡大するだけの道具との差です。
拡大鏡
歯科用ルーペとも呼ばれます。当院が根管治療のときにも使っているのが、この拡大鏡です。マイクロスコープほどの倍率はありませんが、視野が広く小回りが利くため、場面によって使い分けます。
NiTiファイル
根の中を清掃するための器具です。ニッケルチタンという形状記憶合金でできていて、曲がった根の形に沿ってしなります。複雑な形態の根でも高精度に切削と清掃ができるのは、この性質があるからです。見えることと届くことの2つがそろって初めて、根の中をきれいにできます。
神経を残せるかどうかの判断にも効いてきます
拡大して見ることは、神経を取るかどうかの判断そのものにも関わります。当院は神経を極力残すことを目指した治療を行っており、簡単に諦めて神経を抜く治療には移行しません。
神経を残す選択が残るかどうか
虫歯が神経に近いところまで進んでいるとき、本当に神経まで達しているのか、それとも手前でとどまっているのかを見極める必要があります。拡大して確かめられれば、残せる可能性のある神経を残す判断がしやすくなります。
肉眼だけで迷ったときに安全側へ倒すと、残せたかもしれない神経を取ることになりかねません。見えることは、選択肢を残すことでもあります。
もっとも、残す判断をした後で状態が変わることもあるのが実際です。処置を進めるうちに感染が思ったより広がっていると分かれば、その場で方針を切り替えます。最初の説明だけで決め打ちにせず、経過を見ながら判断していくとお考えください。
神経を抜くと再治療の可能性が増す
当院は、神経を抜く治療をするとどうしても歯根への細菌感染のリスクがあるため、再治療の可能性が増してしまうとお伝えしています。神経を失った歯は、痛みという警告を出せない歯でもあるのです。
日本歯内療法学会は、歯内療法によってみなさんの歯を更に長生きさせることができると述べています。裏を返せば、根の治療は歯を残すための最後の手段でもあります。そこに至る前に神経を残せるなら、歯にとってはそれだけ有利です。
マイクロスコープを使えば必ずうまくいくのか
そうとは言い切れません。拡大して見えるようになることは大きな利点ですが、それだけですべてが解決するわけではありません。
見えても器具が届かない場所がある
根の形が極端に曲がっている場合や、以前の治療で入れた材料が固く残っている場合、見えていても器具を通せないことがあります。細菌が入り込んだ側枝と呼ばれる細い枝は、そもそも器具が入る太さではありません。
見えることは前提であって、保証ではないとお考えください。うまくいかない場合にどうするかまで含めて、事前にご説明します。
通院が途切れると結果は変わる
根管治療は数回に分けて進めます。途中で来院が途切れると、仮の蓋の下で細菌が増えていきます。どれだけ精密に清掃しても、その後で汚染されてしまえば同じことです。
結果を左右するのは器具だけではありません。最後まで通っていただけるかどうかも、同じくらい大きな要素です。
治療を受ける前に確かめておきたいこと
神経を残せる段階なのかどうか
まず確かめたいのは、今の歯が神経を残せる段階にあるのか、それとも取る段階まで進んでいるのかです。ここが分かれ目ですので、レントゲンを見ながら説明を受けてください。
残せる可能性がある場合は、どういう条件を満たせば残せるのかもあわせて聞いておきましょう。処置の途中で判断が変わることもありますから、その可能性も含めて聞いておくと戸惑いません。
何回くらい通うことになるか
根管治療は回数が読みにくい治療です。それでも、おおよその見通しがあるだけで予定は立てやすくなります。何回で終わる予定なのか、どこまで進んだら次の段階に移るのかを聞いておいてください。
回数が増える理由もあわせて聞いておくと、途中で予定が延びたときに納得しやすくなります。
うまくいかなかった場合にどうするか
見えていても器具が届かない場合があることは、先にお伝えしたとおりです。清掃しきれなかったときにどうするのか、次の選択肢として何があるのかを、始める前に聞いておいてください。
ここを聞いておくと、途中で方針が変わったときにも落ち着いて判断できます。あとから知らされるより、はるかに納得して進めていただけます。
通えなくなりそうなときの連絡方法
仕事や家庭の都合で間隔が空きそうなときは、あらかじめお伝えください。仮の蓋のまま放置される状態を避けるために、進め方を組み直せます。
連絡先と、どのくらい空きそうなら相談すべきかの目安を聞いておきましょう。黙って中断されるのが、いちばん結果に響きます。
よくある質問
マイクロスコープを使うと治療の回数は減るのか
減るとは限りません。確かめながら進める分、1回あたりの時間は長くなることもあります。回数は根の形や感染の広がり方で決まりますので、器具の違いだけでは決まらないとお考えください。
保険の根管治療でもマイクロスコープを使ってもらえるのか
当院は根管治療において精密治療に重きを置いており、根管治療時には拡大鏡も使用しています。ご自身の場合にどう進めるかは、検査の結果をお伝えするときにご説明しますので、その場でお尋ねください。
治療中に痛みはあるのか
麻酔をしますので、清掃している最中の痛みはほとんど感じません。ただし炎症が強い歯は麻酔が効きにくくなることがあります。つらいときは我慢せず、手を挙げて合図してください。
以前に神経を取った歯が痛みだしたのですが治せるのか
もう一度根の中を開けて清掃し直す治療ができる場合があります。ただし前回の材料の状態や根の形によっては、難しい場合もあるのが実際です。まずはレントゲンで根の先の状態を確かめるところから始めます。
神経を取った歯はどのくらいもつのか
一概には言えません。神経を失った歯はもろくなりますし、痛みという警告も出せなくなります。被せ物で守ったうえで、定期的に確認していくことが長く使うための条件です。
根管治療の途中で転院してもよいのか
やむを得ない事情であれば構いませんが、途中の状態は次の歯科医院からは分かりにくくなります。どこまで進んでいるのか、何本の根を清掃したのかといった情報が引き継がれないためです。転院が決まっている場合は、その旨を早めにお伝えください。
顕微鏡をのぞかれている間、口を開け続けるのがつらいのですが
途中で休憩を挟めます。あらかじめお伝えいただければ、こまめに区切りながら進めることもできます。長時間の開口がつらい方は、予約のときにその旨をお知らせください。
根管治療を相談するなら鈴木歯科クリニックへ
鈴木歯科クリニックは、山形市南栄町にある歯科医院です。根管治療においては精密治療に重きを置き、マイクロスコープと拡大鏡、NiTiファイルを使って進めています。
神経を極力残すことを目指しており、簡単に諦めて神経を抜く治療には移行しません。歯科用CTもありますので、根の先の状態まで確かめたうえで方針をご説明します。
診療時間は9時から18時までで、受付は17時まで、初めて受診される方の受付は16時までです。休診日は日曜と祝日ですので、土曜日にもお越しいただけます。医院専用の駐車場を20台分ご用意していますから、お車でも安心してご来院ください。
以前に治療した歯が痛む、神経を抜くと言われて迷っているという方は、まずは検査からご相談ください。
山形で歯医者・歯科医院をお探しの方は鈴木歯科クリニックにご相談ください。
虫歯治療・歯周病治療・矯正歯科・小児矯正歯科・審美歯科・予防歯科・インプラント・入れ歯などの治療に対応しております。 マイクロスコープ、歯科用CTレントゲンを完備しておりますので、より精密な治療が可能です。
〒990-2445 山形県山形市南栄町1-3-33
TEL:0120-68-1855
診療時間:9:00~18:00
休診日:日・祝日
駐車場有




