根管治療後の痛みはいつまで続く?正常な経過と要注意のサイン
神経を取る治療をしたはずなのに、ズキズキとした痛みが残ったり、噛むと響いたりして、この痛みはいつまで続くのだろうかと不安な夜を過ごしている方もいるかもしれません。
先に結論をお伝えします。根管治療のあとにしばらく痛みが出るのは、多くの場合、体が回復していく過程で起こる正常な反応です。とはいえ、すべての痛みが「待っていれば治る」わけではありません。だからこそ、正常な経過と、注意すべき痛みの境目を知っておくことが、不要な不安を手放す近道になります。
痛みが続く理由と正常な経過の目安、異常なサインの見分け方、自宅でできる対処、そして治療が終わっても痛みが消えないときに考えられることまでを順にお伝えします。
この記事の監修者

鈴木 喜之(すずき よしゆき)
医療法人社団 鈴木歯科クリニック 理事長・院長
昭和大学歯学部を卒業後、同大学第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)に入局。その後、平成8年に山形市にて鈴木歯科クリニックを開院。
「山形という地方でも良質な歯科医療を提供したい」という想いのもと、その場しのぎの治療ではなく「長く健康でいられるための治療」を理念として診療を行う。予防管理をはじめ、マイクロスコープを用いた精密治療やインプラントなど、口腔内全体の健康を長期的にサポートする包括的な歯科診療を提供している。
根管治療のあとに痛みが続くのは多くが正常な反応
まず押さえておきたいのは、治療後の痛みのほとんどが、治療そのものに対する体の自然な反応だという点です。
なぜ神経を抜いたのに痛むのか
「神経を取ったのに、どうして痛いのか」という疑問は、とても自然なものです。理由は2つあります。
1つは、治療の刺激です。根管治療では、根の中を細い器具で清掃し、薬剤で洗浄します。その操作が根の先の組織にまで刺激として伝わり、一時的な炎症につながることもあるのです。
もう1つは、歯の構造にあります。歯の神経を取り除いても、歯の根の周りには歯根膜という薄い組織が残っています。歯根膜は、噛んだ感覚を脳に伝えるセンサーの役割をもち、ここには神経が通っています。だからこそ、歯の中の神経を取ったあとでも、噛んだときに「痛い」「響く」と感じることがあるのです。
加えて、治療前から強く痛んでいた歯ほど、術後の痛みも強く出やすいと報告されています。治療への不安が強かった場合に、痛みを感じやすくなることもあるようです。痛みは心の状態とも結びついているため、必要以上に身構えないことも、回復を穏やかにする助けになります。
痛みはいつまで続く?正常な経過の目安
では、正常な痛みはどれくらいの期間で治まるのでしょうか。
一般的な経過としては、治療後24時間以内に痛みが最も強くなり、その後は徐々に軽くなっていきます。多くの場合、痛みそのものは1日から3日ほどで大きく和らぎ、長くても1週間以内にはほとんど気にならなくなります。噛んだときの軽い違和感だけが、もう少しのあいだ残ることもありますが、日を追うごとに薄れていくのが通常の流れです。
正常な痛みの特徴
正常な痛みには、いくつかの共通した特徴があります。時間とともに少しずつ弱くなっていくこと、ズキッと刺すような激痛ではなく、うずくような鈍い痛みであること、市販や処方の痛み止めである程度コントロールできることなどです。痛みの波が右肩下がりに小さくなっているなら、体はきちんと回復に向かっていると考えてよいでしょう。
こんな痛みは「正常ではない」かもしれない
一方で、正常な回復の曲線から外れる痛みもあります。次のようなサインがあるときは、様子見を続けず、歯科医院に相談したほうが安心です。
たとえば、1週間以上たっても痛みが引かない、あるいは日ごとに強くなっていく場合は注意が必要でしょう。夜も眠れないほどの激痛が続く、痛み止めを飲んでも効かない、歯ぐきが腫れてニキビのようなできもの(フィステル)ができて膿が出る、顔の輪郭が変わるほど腫れてくる、噛むたびに鋭い痛みが走るといった症状です。これらは、回復の過程というより、何らかの問題が起きているサインのおそれがあります。
痛みが正常な範囲を超えているかどうかを見極めるうえで、何が原因で失敗が起こるのかを知っておくと判断の助けになります。根管治療がうまくいかない背景については、別の記事「根管治療が失敗する主な原因とは?症状の見分け方と対処法まで」でくわしく整理しているので、あわせて参考にしていただけたら幸いです。
痛みが続くときに自宅でできること
受診までのあいだ、痛みを少しでも和らげるためにできることもあります。
痛み止めは、痛みが強くなりきってから飲むよりも、用法を守って早めに使うほうが効果を感じやすいものです。頬の上から冷たいタオルなどでやさしく冷やすと、炎症による痛みがやわらぐことがあります。ただし、氷を直接当てたり冷やしすぎたりするのは逆効果になりかねないため、ほどほどにとどめてください。
食事では、硬い物を避け、治療した側で噛まないようにすると、歯への負担を減らせます。また、血のめぐりが良くなると痛みが強まりやすいため、飲酒や長湯、激しい運動は痛みが落ち着くまで控えるのが無難でしょう。歯みがきは、治療した歯のまわりもやさしく清潔に保ちつつ、仮の蓋を強くこすらないよう気をつけてください。もし仮の蓋が取れてしまったり、詰めていた綿のようなものが出てきたりしたときは、細菌が入り込む前に、早めに歯科医院へ連絡することをおすすめします。
治療が終わっても痛みが消えないときに考えられること
通院が終わっても痛みが続いたり、いったん治まった痛みがぶり返したりするケースもあるでしょう。そうしたときに考えられる理由は、いくつか挙げられます。
多いのは、根管の中に細菌が残っていたり、すき間から再び感染したりして、炎症がぶり返すケースです。この場合は、再根管治療によってもう一度洗浄し直すことが検討されます。ほかに、歯にひびが入る破折が痛みの原因になっていることもあります。
見落とされやすい「非歯原性歯痛」
ここで知っておいてほしいのが、非歯原性歯痛という考え方です。これは、歯そのものは治っているのに、歯以外の場所が原因で「歯が痛い」と感じてしまう状態を指します。たとえば、無意識の噛みしめによる筋肉の痛み、神経そのものが過敏になる神経障害性疼痛、副鼻腔や片頭痛に由来する痛みなどが、歯の痛みとして現れる場合があるのです。こめかみや耳の奥まで痛む、はっきりした1本ではなく複数の歯が漠然と痛む、といった感覚は、その手がかりになることがあります。
非歯原性歯痛がやっかいなのは、原因が歯ではないために、再根管治療や外科的な処置を重ねても痛みが解決しないという点です。海外の系統的レビュー(Nixdorfらによる報告)では、根管治療を受けた歯のうち、その後も痛みが続くケースはおよそ5%とされており、その一部にこうした歯が原因でない痛みが含まれると考えられています。長く続く痛みほど、痛みの出どころを正しく見極めることが、遠回りを避ける鍵になります。
根管治療後の痛みが気になるときは鈴木歯科クリニックへ
治療後の痛みが正常な経過なのか、それとも相談したほうがよいものなのかを、自分だけで判断するのは、なかなか難しいものです。気になる症状があるときは、一人で抱え込まず、歯の状態を確かめてみることをおすすめします。
鈴木歯科クリニックは、山形市南栄町で開業から30年にわたり、地域の患者さまのお口に向き合ってまいりました。歯科用CTを用いて根の先の状態を立体的に確かめ、痛みがどこから来ているのかをていねいに見極めたうえで、わかりやすくご説明します。院長は歯を失った後の補綴(入れ歯やブリッジなど)を専門的に学んできた経験をもち、万一その歯を残すのが難しい場合にも、噛む機能をどう取り戻すかまで含めてご相談いただけます。
「治療した歯がまだ痛む」「他院に通っているが痛みが引かず不安」という方は、まずはお気軽にご相談ください。駐車場も20台分ご用意しております。ご相談・ご予約は、お電話にて承っております。
鈴木歯科クリニックが大切にしているのは、できる限り患者さまご自身の天然歯を残すという方針です。抜歯すべきか迷っている段階でも、早めにご相談いただくほど、残せる可能性や選べる治療の幅は広がっていきます。気になる段階で、一度お口の状態を一緒に確認してみませんか。
山形で歯医者・歯科医院をお探しの方は鈴木歯科クリニックにご相談ください。
虫歯治療・歯周病治療・矯正歯科・小児矯正歯科・審美歯科・予防歯科・インプラント・入れ歯などの治療に対応しております。 マイクロスコープ、歯科用CTレントゲンを完備しておりますので、より精密な治療が可能です。
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