歯の神経は何をしている?マイクロスコープを使って守る意味と失ったあとの変化

歯の神経は何をしている?マイクロスコープを使って守る意味と失ったあとの変化

歯の神経と聞くと、痛みを感じるためだけの厄介なものだと思われるかもしれません。取ってしまえば痛まなくなるのだから、抜いたほうが楽だと考える方もおられます。ただし神経には、痛みを伝える以外の働きもあるのです。何をしているのかを知っておくと、残すかどうかの判断も変わってきます。

この記事の監修者

鈴木 喜之

鈴木 喜之(すずき よしゆき)

医療法人社団 鈴木歯科クリニック 理事長・院長

昭和大学歯学部を卒業後、同大学第2歯科補綴学教室(全部床義歯学)に入局。その後、平成8年に山形市にて鈴木歯科クリニックを開院。

「山形という地方でも良質な歯科医療を提供したい」という想いのもと、その場しのぎの治療ではなく「長く健康でいられるための治療」を理念として診療を行う。予防管理をはじめ、マイクロスコープを用いた精密治療やインプラントなど、口腔内全体の健康を長期的にサポートする包括的な歯科診療を提供している。

歯の神経は痛みを感じるためだけの器官ではない

 

歯の神経は、正しくは歯髄と呼ばれます。神経だけの束ではなく、血管を含んだやわらかい組織で、歯の内側の空洞を満たしています。

冷たさや痛みを伝える

よく知られている働きです。冷たいものがしみる、噛むと痛むといった感覚は、歯髄が受け取って脳へ伝えています。不快な感覚ではありますが、異常が起きていることを知らせる合図でもあります。

痛みが出るから早めに気づけるという面は見落とされがちです。神経があるうちは、歯が助けを求める手段を持っているとお考えください。

歯の内側に血液を通す

歯髄には血管が通っていて、歯の内部へ水分や栄養を送り届けています。木の幹に水が通っているのと似た状態です。血が通っているかどうかは、歯そのものの性質にも関わってきます。

同時に、血液は細菌と戦う成分も運んでいます。歯の内部に細菌が入り込んだとき、ある程度までは自力で抑え込もうとする力が働くのはこのためです。神経を失うということは、その守りの手立ても失うということでもあります。

刺激から歯を守ろうとする

外から強い刺激を受けると、歯髄はその内側に新しい歯の組織を足して、自分と外側との距離を稼ごうとします。虫歯がゆっくり進んだ歯で、神経に達する手前で止まっていることがあるのは、この働きが間に合っている場合があるからです。

逆に、急に進んだ虫歯では間に合いません。守りが追いつく前に神経まで届いてしまいます。同じ深さの虫歯でも人によって進み方が違うのは、この差が効いているためです。

神経を失うと歯はこう変わります

 

神経を取ると痛みからは解放されますが、歯そのものは弱くなります。厚生労働省の健康日本21アクション支援システムも、進行したむし歯では歯の神経にまで細菌が達し、歯の神経を抜く大掛かりな治療が必要になると説明しています。

出典:むし歯の特徴・原因・進行(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)

割れたり欠けたりしやすくなる

血が通わなくなった歯は、乾いた木のように粘りを失います。加えて、神経を取るときには歯の内側を削って空洞を作るため、構造としても薄い状態です。噛む力がかかったときに、耐えられずに割れることがあります。

色が濃くなることがある

歯の内側に残った成分の変化によって、時間をかけて色が濃くなることがあります。前歯で起きると見た目の相談につながります。表面の着色とは原因が違いますので、クリーニングでは戻りません。

奥歯であれば見た目の影響は小さく済みますが、笑ったときに見える位置だと気になさる方が多くなります。変色は神経を取った直後に出るわけではなく、年単位でゆっくり進むところも知っておいてください。

異常が起きても気づけない

痛みという合図を出せなくなりますので、内側で虫歯が再発しても、根の先で炎症が起きても、自覚しにくくなります。気づいたときには腫れているという経過をたどりやすいのはこのためです。

これは、神経を取った歯こそ定期的に診ておく必要があるという話につながります。ご自身の感覚が使えない分、外から確かめる機会を用意しておかなければなりません。

再治療の可能性が増す

当院は、神経を抜く治療をするとどうしても歯根への細菌感染のリスクがあるため、再治療の可能性が増してしまうとお伝えしています。一度取った神経は戻せませんので、その後は感染を防ぎながら使い続けていきます。

神経に近づくときこそ慎重に見ます

 

だからこそ、削っていて神経に近づいたときの判断が重要です。当院は神経を極力残すことを目指した治療を行っており、簡単に諦めて神経を抜く治療には移行しません。

う蝕検知液という薬剤で取り除くべき部分と残せる部分を染め分け、マイクロスコープや拡大鏡で確かめながら削る量を最小限にとどめます。神経までの距離は肉眼では読み取りにくいため、拡大して見られるかどうかがそのまま判断の精度に響きます。

削りすぎれば残せた神経を失い、残しすぎれば虫歯が中に取り残された状態です。どちらにも寄りすぎない線を見極める作業ですので、見えているかどうかが結果を分けます。

取ると決まった場合も同じです。根の中は細くて曲がっていますので、拡大して確かめながら清掃します。取り残しを減らせるほど、その後の再治療の可能性を下げられます。

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神経を取った歯を長く使うために

 

すでに神経を取った歯をお持ちの方も、できることはあります。もろくなっているという前提で扱えば、使える期間は変わってきます。

被せ物で全体を覆う

詰め物で部分的にふさぐだけでは、噛む力が歯に直接かかります。全体を覆う被せ物にすれば、力が分散して割れにくくなります。歯が根元から割れてしまうと、多くの場合は抜歯を検討せざるを得ませんので、そこに至らせないための備えです。当院ではセラミックによる治療にも対応していますので、材料の違いは相談のうえでお決めください。

硬いものと噛みしめに気をつける

氷や硬い菓子を前歯で噛む習慣は、神経のない歯にとって負担が大きくなります。就寝中の食いしばりや歯ぎしりが強い方は、その対策もあわせて考える必要があります。

ご自身では気づいていないことも多いところです。朝起きたときに顎がだるい、歯のすり減りを指摘されたことがあるという方は、診察のときにお伝えください。神経のない歯に負担が集中していないかを確かめられます。

定期的に確認する

自覚症状に頼れない歯ですので、定期的にレントゲンで根の先を確かめておくと安心です。何も感じていない時期に変化を見つけられれば、対処も小さく済みます。

被せ物との境目から虫歯が入っていないか、根の先に影が出ていないかを確かめます。この2点は外から見ただけでは分かりません。定期的に通っていただく意味は、神経のある歯より神経を取った歯にこそあるとお考えください。

違和感を放置しない

噛んだときに浮くような感じがする、歯ぐきにできものができたという場合は、根の先で炎症が起きているかもしれません。痛みがないからと様子を見ずに、早めにご相談ください。

よくある質問

神経を取った歯はどのくらいもつのか

一概には言えません。残っている歯の量、被せ物の状態、噛む力の強さによって大きく変わります。年数の目安を示している情報も見かけますが、根拠が確かめられないものが多いため、当院では具体的な年数はお伝えしていません。

神経を取ったのに痛むことはあるのか

あります。根の先で炎症が起きている場合や、歯が割れている場合です。神経がないから痛まないはずだと考えて放置すると、対処が遅れます。

変色した歯は白くできるのか

方法があります。歯の内側から薬剤を作用させる方法や、被せ物で覆う方法です。原因が内側にあるため、通常のクリーニングやホワイトニングとは進め方が違います。診察のうえでご説明します。

神経を取った歯は虫歯にならないのか

なります。痛みを感じないだけで、細菌に溶かされる性質は変わりません。被せ物との境目から進むことが多く、しかも気づきにくいという難しさがあります。

神経を取ると言われたら、他院の意見も聞いてよいのか

構いません。急を要さない状態であれば、意見を聞いてから決めていただいて差し支えありません。レントゲンや検査の結果をお持ちいただくと、話が早く進みます。

子どもの歯でも神経を取ることがあるのか

あります。ただし、生えたばかりの永久歯は根がまだ完成していないため、神経を残せるかどうかがその後の丈夫さを左右する要素です。お子さまの場合はとくに慎重に判断します。

歯の神経治療を相談をするなら鈴木歯科クリニックへ

鈴木歯科クリニックは、山形市南栄町にある歯科医院です。神経を極力残すことを目指した治療を行っており、簡単に諦めて神経を抜く治療には移行しません。

う蝕検知液で取るべき部分を染め分け、マイクロスコープと拡大鏡で確かめながら削る量を最小限にとどめます。歯科用CTもありますので、すでに神経を取った歯についても、根の先の状態まで確認したうえでご説明します。

診療時間は9時から18時までで、受付は17時まで、初めて受診される方の受付は16時までです。休診日は日曜と祝日ですので、土曜日にもお越しいただけます。医院専用の駐車場を20台分ご用意していますから、お車でも安心してご来院ください。

昔に神経を取った歯が気になる、神経を取ると言われて迷っているという方は、まずは検査からご相談ください。

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山形で歯医者・歯科医院をお探しの方は鈴木歯科クリニックにご相談ください。

虫歯治療・歯周病治療・矯正歯科・小児矯正歯科・審美歯科・予防歯科・インプラント・入れ歯などの治療に対応しております。 マイクロスコープ、歯科用CTレントゲンを完備しておりますので、より精密な治療が可能です。

〒990-2445 山形県山形市南栄町1-3-33
TEL:0120-68-1855
診療時間:9:00~18:00
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